ニュース依存症

ニュースを見ると、世の中には重大なニュースがたくさんあって、至る所で深刻な事態が起きているような気がします。そして時々退屈な話題もあります。頭の中が、重大事件と退屈な話題で埋め尽くされます。勉強しようとする気分は霧散してしまいます。学ぶべき内容は、どうでもよいことのように思えてきます。私は学生時代に、「ニュースを見ない」と決めたことがありました。しかしある時、台風がすぐ近くに来ていることを知りませんでした。それで再びニュースを見るようになりました。最近、「ニュース・ダイエット」という本を読んでから、私は再びニュースを見なくなりました。結果は良好です。ニュースを見ない分だけ、勉強時間が増えました。

 

（1）「ニュース依存症：私はこのようにしてやめた」（USA today）
News addition: How I kicked the habit
「私は、この5カ月間、ニュースを見ていない。重大なニュースは、家族や友人が教えてくれる。ヒトの脳は、悪い話題に強く反応する。恐怖は、感情を支配し、感情は我々を支配する。我々の脳は、優しい人々のことより、ヘビにかまれたことを記憶して、生存率を高めて来た。しかし我々は、もはや恐怖に満ちた未開の世界には住んでいない。悪い事件のニュースを多く見る人は、最悪の事態が起きることを常に恐れている。私は、ニュースを見なくなってから、物事により集中できるようになった。この前の週末には、人々はワシントンからのニュースにくぎ付けになったが、私はその時間、娘と絵を書いていた」

 

（2）「なぜ人はSNS中毒になってしまうのか」
なぜ人はSNS中毒になってしまうのか……テック業界関係者が語る“危険性”から考える（リアルサウンド） – Yahoo!ニュース
「私たちは、『スマホを見れば何か新しい情報にアクセスできるかもしれない。誰かが自分の投稿に（いいね）をしているかもしれない』と期待して、ついついスマホに手を伸ばしてしまう」

 

（3）「ニュース依存症の心理学」（Youtubeの動画）
（スキナー箱のハトは、ペダルを1回押すとエサの豆が1個もらえます。毎回ではなくて何回かに1回エサを出すようにすると、ハトは熱心にペダルを押します。演者は、『ニュースを熱心に見る我々は、このスキナー箱のハトのようである』と述べています）

 

（4）「ニュースはあなたに悪い」（ガーディアン紙、ドベリ、2013年）
News is bad for you – and giving up reading it will make you happier | Media | The Guardian
「ニュースは健康に悪い。我々の恐怖を増やし、攻撃性を高め、創造力を破壊し、深く考える能力を低下させる。この問題を解決するには、ニュースの視聴を全部やめればよい」

 

（5）「ニュース・ダイエット」（ドベリ、安原訳、2021年）
「
・ニュースは砂糖が体に及ぼす影響と同じような影響を精神にもたらす（未開の人にとってのニュース）
・ニュースはあなたと無関係である
・ニュースは「リスク」を誤って評価する
・ニュースは「時間の無駄」である
・ニュースは私たちを受身にする」
（著者はガーディアン紙の編集部でこの話をしたそうです。翌日のガーディアン紙には「ニュースはあなたに悪い」という（4）の文章が載りました）

 

（6）「勝間和代の、テレビのニュースを一切見てはいけない理由を教えます」（Youtube、2019年）
https://www.youtube.com/watch?v=mhkba6PDdPM
「テレビのニュースは、我々の原始的な恐怖をあおるものばかりで構成されている。『ファクトフルネス』という本が述べる現実とは異なる。マスメディアを見る時間を、もっと有意義なことに使いたい」

 

（7）「狩猟採集生活者における物語の進化と協力」
Cooperation and the evolution of hunter-gatherer storytelling | Nature Communications
「フィリピンの狩猟採集生活者であるアグタ族で語られていた物語は、採集社会における協力行動についてのメッセージが込められていた。これは、他の部族の物語も同様であった。良い語り手は、部族の採集行動における良い協力を招く」（協力、性の平等、平等主義）（未開社会の情報提供）（金田一晴彦先生）