「少量の酒は健康的か」という題で動画を作ってYoutubeにアップロードしました。
(1)「酒は百薬の長のはずでは?」(日経Gooday、2019年)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO52020370R11C19A1000000/
「2018年8月にLancetに掲載になった論文(Lancet. 2018;392:1015-35.)には、『基本的に飲酒量はゼロがいい』と言い切っている」
(2)「お酒は少量なら健康に良いはウソだった?」(東洋経済オンライン、2018年、津川先生)
「お酒は少量なら健康に良い」はウソだった? | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)
「論文によると、健康リスクを最小化する飲酒量に関して、最も信頼できる値は1日0杯であり、95%の確率で0~0.8杯/日の間に収まるという結果であった。この結果を受けて「最も健康に良い飲酒量はゼロである」と主張している人も多いが、筆者は個人的には「1日1杯までであればリスクは上昇しない」と解釈してもいいのではないかと思っている」(ここでの1杯とは、アルコールで10gということである。日本酒なら66ml)
(3)「飲酒とJカーブ」(厚生労働省)
飲酒とJカーブ | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
「少量飲酒の疾患リスクの低下は、飲酒の健康面における利点を示唆してい(る)。このパターンは、その形からJ字型曲線(Jカーブ)またはU字型曲線(Uカーブ)と呼ばれてい(る)。この形を示す疾患で最も有名なのは虚血性心疾患で(ある)。このようなパターンをとる疾患として他にも脳梗塞・2型糖尿病などが知られてい(る)」
(4)「少量の酒でもがんリスク」(日経新聞、2019年)
少量の酒でもがんリスク 東大などのチーム発表: 日本経済新聞 (nikkei.com)
「2005~16年に全国33の労災病院に入院したがん患者、約6万3千人と、がんではない患者、約6万3千人の飲酒量や飲酒期間を分析した。この結果、飲酒しない人ががんになるリスクが最も低く、飲酒量が多いほどがんになりやすいことが分かった」(発がん物質)
(5)「アルコールと健康 少量飲むより全く飲まない方が良いのか」(ハーバード大学、2018年)
Alcohol and your health: Is none better than a little? – Harvard Health
「2018年の研究は、次のように述べている。『少量の飲酒は、ある人々にある種の保護的な効果を持つかもしれないが、我々の結果は最も安全な飲酒量はゼロであることを示している』」
「車の運転に安全な量は無い。しかし運転は禁止されない」(運転に依存性は無い。初めは「私はやっていない」→後では「みんなやっている」)
(6)「お酒を全く飲まない方が健康に良い」(NPR、2018年)
No Amount Of Alcohol Is Good For Your Health, Global Study Says : NPR
「がん予防の観点から言えば、最も良い戦略は、最も少なく飲むことである」
(7)「195の国と地域の、1990~2016年のアルコール使用の問題:世界におけるアルコールの害の系統的研究」
Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016 – The Lancet
「アルコール消費が増えるにつれて、全死亡とがん死亡のリスクは増える。健康の損失を最小にするアルコールの消費量はゼロである」
(アルコールの害は、1日10gまでは、わずかに増加。10gを超えると急増する)
(8)「議論の的になっていたアルコール研究が中止された」(ネイチャー、2018年)
Controversial alcohol study cancelled by US health agency (nature.com)
「『少量のアルコールを毎日摂取することは健康を増進するかどうか』を調べるNIHの研究は、アルコール産業からの資金援助を受けており、信頼性が疑われて中止となった」
「調査により、NIHのスタッフが不適切な資金を受け取っていることが判明した。これは、NIHのCOI規約への違反である」
(9)「穏やかな飲酒についての事実」(CDC、2020年)
Facts about moderate drinking | CDC
・男性は2杯以下
・女性は1杯以下
・飲んではいけない人は、子ども、妊娠している人、妊娠しているかもしれない人、ある種の病気の人、アルコール使用障害の人
(米国の1杯とはアルコール14gのことです。日本酒の濃度は15%ほどであるので、女性は日本酒なら93mlまで、男性は186mlまでです)
・この推奨量の範囲でも、全死亡やいくつかのタイプのがん、いくつかのタイプの心血管疾患のリスクが上がる場合がある。アルコールは、少量でもがんのリスクを高める。
・以前の研究では、少量のアルコールは健康に良い影響があるとするものがあったが、最近の研究ではこれは正しくないかもしれないという結果が出ている。少量飲む人は、より健康であるという結果の研究もあるが、それはアルコールの影響であるのか、少量飲む人と全く飲まない人の差であるのかは、分からない
(10)「アルコールの飲んでも安全な量はあるのか」(GoodRx、2021年5月24日)
Weighing the Benefits and Risks of Alcohol Use – GoodRx
「飲んで安全なアルコールの量は無い」
「1日1杯以下のアルコールでもがんのリスクが増える。特に乳がんと食道がん」
(リンクあり)
世界保健機構WHO:「証拠によれば、アルコールに安全な上限量は無い。実際、アルコールの害は、飲酒量とともに増加する」
英国国民健康サービスNHS:「安全な飲酒量は無い」
米国がん協会ACS:「アルコールを飲まないのが最も良い」
米国国立がん研究所AICR:「少なくとも、いくつかのがんに関する限り、がんのリスクを上げないような安全な飲酒量は無い」
なぜ少量が問題となるか
少量で良い(アルコール会社)‥‥‥後で増えるから
販売促進のための出費‥‥‥莫大な額になる(最終利益と同額ぐらいのこともある)
子どもを産む可能性のある女性‥‥アルコールの発がん性、催奇形性(遺伝子のキズは遺伝する)(若い女性をターゲットとした販売促進活動あり)